
サッカー中に生じた膝の痛みは、さまざまなケガや不調が原因で生じている可能性があります。
早期に痛みを改善し、練習や試合に復帰するためには、原因となるケガを理解しておくことが重要です。
この記事では、サッカーで生じる膝の痛みについて、原因となるケガや不調を詳しく解説します。
目次
■サッカーで膝が痛む原因とは?
サッカー中の膝の痛みの原因となる代表的なケガや不調には、以下のようなものがあります。
- 半月板損傷
- 膝関節周囲の腱・靭帯の炎症・障害
- 前十字靭帯損傷/後十字靭帯損傷
- オスグッド・シュラッター病
詳しく見ていきましょう。
半月板損傷
半月板損傷は、膝関節の中にある半月板が損傷し、痛みや腫れ、関節の動かしにくさが生じるスポーツ疾患です。
ジャンプ後の着地や急激な方向転換や、膝のひねりを伴う動作、ボールをキックするなどの動作で生じるため、サッカーでの受傷も多く見られます。
半月板は膝関節への衝撃を吸収する役割があり、損傷すると運動中の痛みと膝の「引っかかる感覚」から、パフォーマンスが低下してしまうことも。
重度になると手術も検討することになるため、早めに安静やリハビリテーションによる治療を行うことが大切です。
膝関節周囲の腱・靭帯の炎症・障害
膝関節にはさまざまな靭帯や腱があり、運動中のしすぎやケア不足から付着部などに炎症を起こす場合があります。
膝の靭帯の炎症には、以下の種類があります。
- 膝蓋靭帯炎(しつがいじんたいえん)
- 腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)
- 鵞足炎(がそくえん)
これらは、走り込みやジャンプの繰り返しなどによって生じるため、サッカーをする方にも比較的見られやすいケガです。
膝関節の靭帯炎は、オーバーワーク(練習のしすぎ)や準備運動不足、日頃のケア不足などが原因で起こります。
また、成長期は骨や筋肉のバランスが崩れて靭帯炎が起こるケースも多いです。
前十字靭帯・後十字靭帯損傷
コンタクトスポーツであるサッカーでは、前十字靭帯や後十字靭帯の損傷が起こる場合もあります。
前十字靭帯や後十字靭帯には膝関節の安定性を高める役割があり、損傷すると膝の激しい痛みや腫れ、脱力感などが生じます。
特に前十字靭帯損傷は自然に治癒することが少なく、放置すると膝の不安定性が残るほか、将来的に半月板損傷や膝関節の変形を招くことも考えられます。
膝で「ブチッ」という音や感覚がある場合は、損傷が強いことがあります。気付いた場合は早めに整形外科で相談してください。
オスグッド・シュラッター病
オスグッド・シュラッター病は、成長期の子どもに起こりやすいスポーツ障害の一種です。
オスグッド・シュラッター病は、膝関節の少し下にある「脛骨粗面」の腫れや痛みを伴うスポーツ障害の一種で、膝関節を多く使うスポーツによく見られます。
サッカーでは膝関節の曲げ伸ばしが繰り返されるため、オスグッド・シュラッター病を発症する方も珍しくありません。
脛骨粗面には、膝を曲げ伸ばす際に使われる「大腿四頭筋」が付いており、運動のしすぎやケア不足によって炎症が起こる場合があるのです。
特に成長期は骨がやわらかく、脛骨粗面も影響を受けやすい時期であるため、オスグッド・シュラッター病を発症しやすくなります。
■サッカーで膝が痛むときの対処法
サッカーで膝の痛みが出ている場合、オーバーワークや体力不足に対するケアを行うことで、痛みをやわらげられる可能性があります。
ただし、激しい痛み、腫れ、熱感がある場合は炎症が強くなっている場合があるため、無理なストレッチは控えましょう。
- ストレッチやマッサージ
- リハビリテーション
それぞれ解説していきます。
ストレッチやマッサージ
サッカーの練習で膝関節を酷使している場合、毎日のストレッチやマッサージによるケアを行うことが大切です。
特に「大腿四頭筋」や「内転筋」「腸脛靭帯」などの筋肉・靭帯をケアすると、膝関節の痛みを和らげたり、ケガの予防につながります。
【大腿四頭筋のストレッチ】
- 床に脚を伸ばして座る
- 片足を正座するように曲げる
- 体をゆっくりと後ろへ倒す
- 太ももの前側が伸びる感じがしたら20~30秒保つ
- 反対の脚と交互に2~3セット行う
【内転筋のストレッチ】
- 床に座り、足の裏を合わせる
- 手で足を持ちながら、肘で足を外に広げる
- 太ももの内側が伸びる感じがしたら20~30秒保つ
- 上記を2~3セット繰り返す
【腸脛靭帯のストレッチ】
- 床に脚を伸ばして座る
- 片方の脚をもう片方の脚の上に交差し、膝を立てる
- 肘を使って、立てた側の膝を外側から内側に押す
- 太ももの外側が伸びる感じがしたら20~30秒保つ
- 上記を2~3セット繰り返す
上記のストレッチに加え、太ももから膝下、ふくらはぎなどを全体的にマッサージし、筋肉の硬さや疲労を取るようにしましょう。
リハビリテーション
自分だけではケアの方法が分からない方や、十分なケアができない方もいるでしょう。
その場合は、整形外科でリハビリテーションを受けるのも選択肢の1つです。
リハビリテーションでは、理学療法士による1対1の治療が受けられます。
ケガの状況やサッカーの練習内容など、一人ひとりの状況に合わせたストレッチやトレーニング、ケア方法のアドバイスを受けることが可能です。
早期に痛みを改善したい場合は、リハビリテーションを受けることも検討しましょう。
■サッカー中の膝の痛みは整形外科へご相談ください
サッカーにケガは付き物であり、さまざまなスポーツ疾患が原因で痛みが生じます。
ケガの種類によっては、サッカーの練習を中断しなければならなくなる可能性もあるため、早めに治療を行うことが重要です。
『わたなべ整形外科運動器クリニック』では、サッカーによる膝の痛みの治療を受け付けております。
リハビリテーションや薬による治療のほか、「PRP-FD療法」や「体外衝撃波治療」など、さまざまな治療の選択肢を提案可能です。
サッカーによる膝の痛みにお悩みの方は、ぜひお気軽に当院へご相談ください。


