成長期のスポーツをする子どもに起こりやすい「腰椎分離症」は、適切な治療を行えばスポーツへの復帰も目指すことができます。
ただし、治療法が遅れてしまった、適切な治療が行えなかったりすると、症状が長引く・悪化したりするケースもあるため、できるだけ早めの対応や正しい知識を理解しておくことが大切です。
この記事では、腰椎分離症の治療方法や、予防などについても詳しく解説します。
■腰椎分離症の治療法
腰椎分離症では、主に保存療法によって治療を進めていきます。
早期の改善を目指すためには、症状や状態に合わせ、医師や理学療法士と連携しながら適切な治療を行うことが大切です。
なお、腰椎分離症の詳しい症状や原因については『成長期の子どもに多い腰椎分離症とは? 原因・症状をわかりやすく解説』の記事で解説していますので、こちらもぜひご覧ください。
保存療法
保存療法とは、手術を行わずに痛みを軽減して改善を目指す治療のことです。
腰椎分離症は成長期の子どもに多いため、以下のような保存療法を基本としていきます。
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安静
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リハビリテーション
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薬物療法
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装具療法
まずは腰に負担をかけるスポーツや動きを一時的に控えて安静にすることが大切です。特に初期段階では無理せず休養し悪化を防ぎます。
リハビリテーションでは、理学療法士からストレッチやトレーニングを受ける「運動療法」を行います。
腹筋や背筋の筋肉を整えることで、痛みそのものを緩和しつつ、悪化と再発を防ぐ体づくりが可能です。
また、痛みの程度に合わせて、抗炎症薬や痛み止めを使用する場合もあります。
さらに「装具療法」で腰椎にかかる負担を軽減するため、日常生活ではコルセットの使用を提案するケースも多いです。
これらを組み合わせて症状をコントロールしていくことで、スポーツへの復帰が期待できます。
■腰椎分離症を予防するストレッチ方法
腰椎分離症に対する効果的なストレッチ方法を紹介します。
骨盤や腰椎に大きく影響する「ハムストリングス」のストレッチは、簡単に実施できるうえ、腰椎椎間板症の治療・予防にも適しています。
【用意する物】
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バスタオル
【ストレッチ方法】
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床に仰向けに寝転がる
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両手でバスタオルの端を持ち、片足のつま先に引っかける
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膝を伸ばしたまま足を上げていく
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太ももの裏が伸びる感覚がしたら20秒キープする
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ゆっくりと元の姿勢にもどる
上記のストレッチを繰り返すことで、ハムストリングスの硬さが解消し、腰椎への負担が軽減されます。
簡単に行えるので、寝る前や朝起きたタイミングなど、布団やベッドに寝るタイミングで実施してみましょう。
■腰椎分離症は早期から整形外科で治療を受けましょう
腰椎分離症は、早期から適切な治療を受けることですみやかに痛みを改善し、悪化を防ぐことができます。
放置すると症状が長引いたり、日常生活にも影響が出てしまう場合もあるため、なるべく早めに整形外科で治療を受けるようにしましょう。
『わたなべ整形外科運動器クリニック』では、腰椎分離症の検査や治療にも対応しており、先端機器を使用した検査と専門的なリハビリテーションにより、痛みの改善を行っています。
腰の痛みや、腰椎分離症の治療にお悩みの方は、ぜひ当院へご相談ください。