体外衝撃波治療とは、元々腎臓結石などの結石破砕治療として医療に用いられてきました。近年整形外科分野でも、特に筋、腱、靱帯障害の疼痛に応用され発展してきました。低出力の衝撃波を体外から繰り返し与えることにより、疼痛を伝達する神経終末を変性させ、周囲組織修復を促すもので、これまでに多くの優れた治療成績が報告されています。
体外衝撃波治療には、拡散型および集束型衝撃波治療に大別されます。拡散型衝撃波治療は広範囲の治療は可能ですが、原因となる部位にエネルギーを集中させることは困難となります。集束型衝撃波治療は特定の深さに焦点を当て、拡散型よりも強い衝撃波エネルギーを集中的に患部に伝達することができます。集束型衝撃波治療においては、2012年より慢性化した足底腱膜炎に対してのみ保険適応となっています(拡散型衝撃波では算定できません)。また、自由診療はなりますが、スポーツなどによる慢性の筋・腱・靭帯傷害に対して、優れた治療効果が期待できます。
集束型と拡散型衝撃波治療の違い
集束型
任意の深度に衝撃波エネルギーを集中することができる
拡散型
体表から衝撃波エネルギーが拡散していく
主な対応疾患
足部
足底腱膜炎、アキレス腱炎、アキレス腱付着部炎
膝
膝蓋腱炎、ジャンパー膝、オスグッド病
肘
上腕骨外上顆炎(テニス肘)、上腕骨内上顆炎(ゴルフ肘)、三頭筋付着部炎
肩
石灰沈着性腱板炎、腱板炎
上記の様に、腱の骨への付着部における痛み、障害が適応の中心となります。
疲労骨折や離断性骨軟骨炎に効果を認めるとの報告もあります。
また骨端線(成長線への照射)は禁忌とされています。
治療の特徴
- 治療の所要時間は約10分
- 痛みを伴うことが多い
(麻酔は必要ありません) - 治療後もすぐに歩行が可能
- 通常複数回繰り返し治療し効果を判定。